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2016.02.06 Saturday

うちの鳩


 「最近顔を出さなくなったね」そんな私と母の会話を聞いていたように
つい数日前にその鳩は久しぶりに顔を見せてくれました。
実はこの鳩は「うちの鳩」という名前の鳩(笑)
 
それはまだ、肌寒さが残っていた1年前の3月のはじめのこと。
我が家のテラスに、見慣れない大きなダンボールが置いてあって
覗き込むと、鳩が一羽うずくまっていました。

よく見ると右足は内側に折れ曲がり、尾羽は全部抜かれていて背中も地肌が見えていました。

聞けば母が散歩の途中で見つけたらしい。
「カラスにやられたかしらね〜。猫かしらね〜
でも、野生の鳩は病院に連れて行っても、ダメだろうね」と母。

開け放したダンボールの中で、ただ丸い目を見開いて
首だけを動かしている鳩の生命はつながるかしら?
たぶん家族はみんな同じ気持ちで眺めていたと思います。

背中の傷はそんなに深くなさそうと、人間用の傷薬を塗って
すぐにネットで検索すると、尾羽は再生すると書いてありました。
 
こういう時のネットって本当にありがたいですね。
 
雑穀米とパンを細かく刻んだもの。
急ごしらえで植木のカバーを水入れにして様子を見ていたけど
その日はほとんど何も食べずに暮れていきました。
 
…そこから先は祈って待つしかない。

けれど次の日…ダンボールを覗いてみると、えさがほとんどなくなっていたの!
「この子はまだ寿命があるかもしれないね」と嬉しそうな母。
 
こういうとき、我が家の結束はかなり固い。
その日の午後には夫がカラスに狙われないようにと鳩小屋を作って
私はすぐに鳩のえさを注文して…母は定期的に鳩小屋を覗く役。



雨がかからないように。
寒くないかしら?
あれこれ先回りして知恵を出し合いながら過ごした日々。

そして私たちは、野生の自然治癒能力の凄さを目の当たりにすることになりました。

10日目にはもう、大きく羽を広げては
何度もウォーミングアップをしていたりして、日々食欲も旺盛に。

笑えたのは、とても好き嫌いの激しい鳩で
餌の中でも黒米やコーンはいつもまとめて残していて
パンやりんごやキャベツを細かく刻んだものはぺろり。
かなりの偏食だったこと(笑)

幸せってこういうこと?…そう、希望に向かっている日々って、いつも最高なんだね。

けれどその日は、すぐにやってきました。
まだ1ヶ月もたたない休日の朝のことです。
尾羽はぐんぐん伸びていましたが、まだ飛ぶことはできないだろうと
母が鳥かごを持ち上げた途端に
鳩がピョンとダンボールの高さを越えて外に出てしまったの。

そうなったらもうお手上げです。
私たちはただ息を止めて見守るだけ。

すぐ近くではカラスの鳴き声も聞こえています。
もしも見つかったらひとたまりもないでしょう。
 
鳩は我が家のテラスを確かめるように
わずかに右足を引きずりながら、歩いていました。

そしてふわりと椅子に飛び乗り、次は塀の高さまで。

隣の家の屋根には30分くらい留まっていたかな…。

その間、私たちをじっと見つめていましたがついに翼を広げて
一瞬で大空に羽ばたいていきました。

せめてあと1週間あれば、右足も治っていたかも。
一体どこに帰るのかしら?長く飛べる体力はあるのかな?

けれど、私たちにできることはここまでだね。
なんとか無事に生きて欲しい…突然のことに私たちの心は
ぽかりと穴が空いたようになっていました。



けれどその日の夕方のこと。

もうこれは奇跡としか言いようがありません。
実は夫が近くの公園で、仲間たちと一緒に歩いている「うちの鳩」を目撃したのです。

まだ尾羽が短いのと、なかなか個性的な白と黒のスタイリッシュな鳩なので
結構目立つのです。
もちろんみんなで大喜び♪
あんなにテンションが上がったことはないほどに〜(笑)

そしてそれだけではありませんでした。
その数日後、我が家のテラスの塀の上に「うちの鳩」の姿が。

大急ぎで、テラスに鳩のエサと水入れを置くと
塀からふわりとテラスに降り立ちました。


↑この写真はそのときの一瞬を捉えた
貴重な写真です。
 
尾羽はまだ短いけれど、私がカメラを向けたら背筋を伸ばして
ちょっと決めポーズをしてくれました♪
私は舞い上がってしまい、かなりピンボケになってしまったけど…。

深手を負っていたときは、きっと不安になるだろうとカメラを向けるのは控えていましたが
あのときはちゃんと、こちらの気持ちをわかっているようなポーズでした。

あれから1年…今もときどき我が家にやってくる「うちの鳩」
私はいつも姿を見るたびに、心のなかで「おかえり!」とつぶやきます♪



さて、長々とお読みいただいてありがとうございます(ぺこり)

実はね。
来季のために、この鳩をモデルにして
テキスタイルデザインに描き下ろしました♪
もちろんタイトルは「うちの鳩」

色も形も違うけど、私のなかでは紛れもなくあの、「うちの鳩」なんです♪



ちょうど手元にあった母の写真、日付を見たら去年の今頃撮影したものです。
たぶんこの頃にはテラスに鳩がいたと思います。

母が着ている部屋着も数年前に発表した「ブーツを履いたニワトリ」♪
ダブルジャカードで織り上げましたが、お気に入りです。
これは確かパリを思いながら描いたモチーフ。
ソファーの上のミルク瓶のキルトケットも、3年前の私のデザイン♪
実は私の描くテキスタイルには、様々なエピソードがいっぱいあります。
いつかまたご紹介いたしますね♪

そのどれもが私なりのハッピーモチーフ。
皆様にもたくさんのハッピーが伝わりますように♪

ちなみに母は、今年卒寿を迎えます。
また何か新しいモチーフが生まれるかもしれません♪

2016.02.04 Thursday

本日からギフトショー開催です♪


先週のパリのメゾン・エ・オブジェに続いて
今週は東京ビッグサイトにてギフトショーが開催中です。

ブースナンバー 「西4023」にて 2月3日〜5日まで。
おかげさまでお天気に恵まれて、出足は好調です〜♪

すぐ近くには昨年から新しくライセンスがスタートしたカーテンやラグマットの
アスワン株式会社さんのブースもあります。
「西4060−61」
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます♪
けれどごめんなさい。
一般の方のご入場はできませんのでご注意ください。
 

マットやカーテンはタオル美術館I自由が丘店Atsuko Matano Galleryにて取り扱っております。
是非お気軽にお立ち寄りくださいませ。
↓これは我が家のリビングで使用中のラグマットです〜♪
温かくて、フカフカで、ドシッとしていて最高にくつろげるスペースになっています。


私は今、今年の秋冬の最終段階の企画に没頭中〜。
今年もかわいいものをいっぱい作ります。
集中モードなので、素っ気ないご案内でごめんなさい。
ラストスパート頑張ります!

 
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