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2009.12.31 Thursday

2009年12月31日 心からの感謝を込めて

私はただ…歩きました
今日歩けるだけの道のりを…

それは決して長過ぎもしなかったし
短すぎもしなかった…と思うのです
立ち止まるときもあり
足早になったり
走るときもありましたが
自分の歩幅で
地に足をつけて
ただ…歩いていました

それを遅いと感じる人も
それを速いと感じる人もいたでしょうが
それはそれとして

私はただ…歩きました

「一体どこに向かっているの?」
…だれもそんなことを聞きませんでしたが(笑)
聞かれたとしても私はこう答えるだけだったでしょう

「明日のことはわからないよ」と…

けれど 
心の中を真っ白にして
ただ歩いていると
見えてくるものがありました
聞こえてくるものもありました

私はそれを描きます
私はその音に耳を傾けます

その時間はいつも豊かで
ただ
やさしかったことだけを覚えています

それだけで充分です
それがあれば迷わない

私はだれ?…と聞かれたら
星屑のひとかけら…と答えます

…それが私の2009年
おかげさまで
とても幸せな1年でした
2009.12.30 Wednesday

雲の上の6人のピエロたち…

私が出会った人にピエロの衣装を着せて描こうと思うまで…テーマには悩みました。

そんなとき、昔のスタッフが一冊の本を贈ってくれました。

「サーカス展」と名付けられた絵の展覧会が開催された時の図録です。

その本を開いたとき、ずっと封印していた扉が開きました。

私の大好きな画家は沢山いるけれど、何と言ってもピカソとシャガール。
最初は言葉のための挿画を描いていることが多かった私。

もっと本格的に絵を描いてみたい!と願ったとき
私の手元には、このふたりの画集がありました。
シャガールの画集は、とある方からの贈り物。
日本では手に入らないとても贅沢な本で、当時の私には、どんなものよりも嬉しいプレゼントでした。

そこにはまだシャガールの初期の作品
試行錯誤している時代の絵も沢山入っていて
完成された世界しか見たことがない私には、新鮮な驚きがありました。

それこそ穴のあくほど、毎日…その画集をながめて
過ごした日々。
とても懐かしい思い出です。


サーカスをテーマに描いた代表的な画家と言えば
やはりシャガールかな…。
好きだからこそ…そこに足を踏み入れる訳にはいかないと…どこかで線引きをしていた私。

そんな私が、ピエロを描こうと思ったのは、元スタッフから届いた画集。
そこには本当に沢山の画家たちがサーカスにまつわる絵を描いていたのです。

…そして私の挑戦ははじまりました。

その中の1枚がこの絵です。
雲の上に居る画家たちをみんなピエロの衣装を着て
描いてしまおうと思った訳(笑)

この絵にそんな秘密が隠されていることを知っている人は、とても少ないです。
無謀な挑戦のように思えて、極身近な人にしかこの絵のことは話しませんでした。

上の絵はピカソ。
次の絵はジャン・コクトーと、シャガールです。

コクトーは絵画だけでなく映画や音楽とも深く関わり、エディット・ピアフと生涯の親友だったことはとても有名な話です。

人は生涯に色々な人と出会います。
それは生きている人だけでなく、すでに天国にいる人たちも含めて…。
彼らの作品に出会うと、私はその人をとても身近に感じます。

文学も絵画も音楽も…魂を込めて作られた物は、どれも時を超えて生き続けているもの。
私は沢山の画家や作家や作曲家の魂に触れて…心を育てられたと思います。

心からの尊敬を込めて、一筆一筆一生懸命に描いた絵…
まだまだ未熟だけど、思い切って秘密をお話してしまいました(笑)
たぶんこのシリーズは私の生涯を通して、描き続けると思います。
どうぞ、応援して下さい。

恥ずかしさも手伝って、私はこの6人の画家の肖像画については、タオル美術館でも何の説明もしていません。
もしも、お出かけの節は、ちょいっと思い出して頂ければ…と思います。


←このふたりはダリとルソー…。
他にもペン画でもっと沢山の画家たちを描いています。

数年前のパリのオルセー美術館で、私は巨大なルソーの絵を観ました。
…圧倒されました。素晴らしかった〜〜。

実は今日ここに載せた写真は、まだ完成前の絵。
実際はもう少し筆を加えています。

そしてもうひとり…薄幸の天才
モジリアニーを描きましたが…その全容は是非
タオル美術館でご覧下さい。

60号の油彩のなかに描いた
「雲の上のピエロ」というタイトルの絵です。

今日は30日。
いよいよ今年も明日一日で終わりです。

年の最後の日に、何を書こうかなあ…。
どうぞ、明日もお楽しみに…。






2009.12.29 Tuesday

サイン・シャネル…カール・ラガーフェルドのアトリエ

















誕生日のプレゼントにと、贈って頂いたDVDを、ようやく仕事納めも終わって…ゆっくりと観ました。

タイトルを見た限りでは、ココ・シャネルの物語かと思っていたのが…全然違ってた(笑)
ま、時々ある「早とちり」です(笑)
それは、ココ・シャネルの没後、「シャネル」を引き継いだカール・ラガーフェルドのオートクチュールが出来上がるまでの、克明なドキュメント映画だったの。

面白かった〜〜。

私は井の中の蛙…デザイン会社に勤めた経験もありません。
だからみんながどういう風に仕事をしているのか、全く知らないの。
よく考えれば…今まで良くやって来られたもんだ(笑)
そして、時々私のものつくりはどうも他のデザイナーさんとは違うらしい…漠然とそんなニュアンスが伝わって来ることもあります…が、他のデザイナーさんと何が違うのかは、全くわからなかったのです(笑)

その答えがこのDVDのなかにありました。まあ、カール・ラガーフェルドのアトリエが一般的とは考えにくいけど…(苦笑)
でも私はこのDVDではじめて、他のデザイナーさんのアトリエをつぶさに目撃できた訳です。

シャネルの創始者である「ココ・シャネル」の数奇な人生は、ずいぶん前に本で読みました。

ファッションを通じて女性を解放し、新しい時代の扉を開けたデザイナーとしての彼女の人生は興味深く、奇想天外。

シャネルが歌手を目指していた時代もあったことや、シャネルが最初に始めたお店が「帽子」というのも気になっていました。

恋多き女性としても知られるココ・シャネルは数本の映画にもなっています。
いつか観たいな…と思っているもののひとつでもあったけど、このDVDは、仕事モード全開でした!(笑)

これはデザイナーさん必見と言ってもいい。私も年明けにはもう一度スタッフたちと一緒に観るつもり。

ものつくりの裏側って、なかなか見るチャンスはないけど…このDVDには沢山のことが詰まっていました。

数えきれないほどの、ものすごく沢山のスタッフがものつくりに関わり、ひとつひとつを丁寧に仕上げていく工程を、上っ面ではなく、結構深い、現場のため息までをつぶさにとらえていました。

日付を見たら、そのDVDが作られたのは3年ほど前だけれど、ところどころシャネルがこだわった、昔ながらのスタイルも残されている、驚くほどアナログな現場でもあります。シャネルのスーツに必ず使われている縁飾りを作っているおばあさん…は、特に印象的。

数年前にパリに行ったとき、私は「カール・ラガーフェルド」がプロデュースしたというレストランに連れて行ってもらいました。店内のインテリアや食器なども、全部彼が手がけたもの。そこで私は本格的なフランス料理をごちそうになったの。
「トレヴォン!」を連発!(それしかわからない…笑)全てのお料理が美味しかった!
そこで、一緒に連れて行ったスタッフを2年ほどパリに預ける気はないかと言われて…返答に困ったことを思い出します。

彼女はある日、いきなりカボに電話をかけてきたフランス人。名前はミュリエルと言いました。
彼女の話では
「フランスのデザイナーの友だちがね。ミリュエルがずっと探しているものは、東京の自由が丘に行けばあるよ…」と教えてくれたとか…。
それがAtsuko Matano Gallery…と、夢のようなお話を伝えて下さったの。

「いつかパリにAtsukoのお店を…フランス人は物をとても大切にします。きっとペイネのように、世代を超えてみんなに愛される世界ができるはず…」
…そんな話を熱く語って下さった。
時はバブルがはじけたころ。…私にはまだ全然準備ができていませんでした。

…そんな経緯があり、パリで開かれる「メゾン・ド・オブジェ」という大きなショーを見に出かけたの。そのときミリュエルに再会。素晴らしいレストランに連れて行って頂きました。

パリと言う街の特殊性は、その規模にあるかも。とても小さな場所に、伝統を面々と守り続けている小さな工房が沢山あります。それこそが贅沢と言う言葉が似合う街。
日本は、バブル期に量産こそが成功への鍵を握っている物…そんな価値観がありました。

ぐるりと歴史が動けば…また緩やかに戻ることもあるでしょうが…国内のものつくりは、そこで、かなり淘汰されてしまいました。

おっと、話がどんどん横道へ…(笑)
クチュールの世界。チョーセレブなブランド「シャネル」
その最高峰とも言えるブランドの現場のDVDを見ながら…結局ひとりひとりの人間が、できることを精一杯表現している。
それが長い伝統や価値観に支えられて、世界中の女性たちを虜にし続けている。
その原点に、ココ・シャネルという人が存在したこと。
彼女が他の誰かよりも特別に恵まれていた訳でもなく…ただ彼女は誰よりも強く「自分の人生を懸命に生きた人」であったと…思いました。
最後にココ・シャネルの名言を散々迷って…ひとつだけ。

「翼を持たずに生まれてきたのなら
翼をはやすために、どんな障害も乗り越えなさい」

できれば、まだココが存命中に、その制作風景をとらえたものがあったら、それも見たい!と思いながら…今日の写真はネットに流れている物を拝借しました(ぺこり)
とても思う所が多かったDVD…これを贈って下さった方に、心から感謝です。


2009.12.29 Tuesday

仕事納めの日に

 昨日は夜になってブログをチェックしたら…驚きのアクセス数が…改めてVOWのすごさに感動しております。きっとそれぞれに色々な想いが詰まっているでしょうに、勝手感想ですみません。沢山のアクセスに心から感謝です!


今日は仕事納め…スタッフみんながアトリエ中をピカピカに磨いてくれました。
私は日常でも、忙しくなって、あちこちが雑然としてくると、ピタリと仕事の手が止まってしまうの。
毎日のようにサンプルが届くアトリエは、ほんの少しでも気を抜くとあっという間に荷物の山になってしまいます。

そうなると何故か呼吸が浅くなってしまう私…(笑)
風の道を確保すること。…そうすると心も晴れます。

毎年仕事納めの日には、みんなでおそばを食べます。今日は友人の造り酒屋から毎年頂く酒粕で、甘酒も作りました。この酒粕で作る甘酒は、本当に美味しいです。

ほとんど下戸と言ってもいい…飲めない私や母も、この甘酒にはいつも目から♥です(笑)
もちろん、牧野酒造の看板商品の「大盃…おおさかずき」は、何度も金賞を受賞しているとても美味しいお酒です。
ご興味のある方は是非一度、味わってみて下さい。

今年のおせち料理…作るのは、きんぴらときんとんと、おなます、数の子くらいかな…。鶏ガラのお雑煮とおとそ。我が家のお正月は、できるだけ簡素にスタートします。

毎年なんとなく友だちが集まって来るので、いきなり宴会になっちゃう。
今は年中無休のお店も多いので助かるけど、お肉やお刺身、お野菜などの食材は、買い置きしておきます。
そんな主婦モードに少しずつ戻りつつ…。

こんな静かな年の暮れは久しぶりです。それは心が鎮まっていると言う意味。
締め切りもクリアーしたし、もう来年のスケジュールは確実に埋まりはじめてるけれど
なんだかようやく「このままでいいんだ」と言う気持ちになっています。

それはね。現状維持と言うことではなく、もっと自由にものを作り続ければいいんだ…っていうこと。
もっと作らなきゃ!…というわけでもなく、自然に生まれて来るものにブレーキをかけないってこと(笑)

もうじき臨月のスタッフもいるけど、彼女にも「大丈夫。生まれるときに生むのよ」
…なんて、同時に自分にもいい聞かせながら、つぶやいていました。

明日からお正月休みと言う会社はきっと多いことでしょう。
また、みんながお休みの時こそ仕事が忙しいと言う方も含めて
…ちょっと早いですが、「良いお年を!」と叫んでしまいます。
帰省ラッシュは、私は余り縁がありませんが、車の運転にはくれぐれもお気をつけて…。
2009.12.27 Sunday

続報 VOWWOWにワープした夜

夕べは興奮状態のまま、ブログに向かいました。
まだまだ書き足りていないので…続報を書きはじめています。

厚見玲衣さんのキーボードを私は、いつのころからか「天国の音楽」と呼んでいます。
彼がステージに背中を向けて立っていると…大きな翼が見えます。
夕べは「昔の衣装を着ちゃいました!」といつもながらお茶目なコメント。
とてもお似合いでした。

厚見さんのキーボードとは思えないパイプオルガンのような荘厳な音と、これまた天国への階段を一気に昇らせて頂いたような堀川真理夫さんのベースと、その扉が開かれるときにきっと聴くんだろうな…みたいな新美さんのドラムではじまったステージ。
一緒に行ったスタッフはVOWにはじめての遭遇。厚見さんのことを「バッハがいた!バッハにしか見えなかった!」と叫んでいました(笑)
厚見さんの手にかかると、楽器が踊り出します。MCはなごみ系で、ちょっと笑える。

新美さんはいつもドラムに埋もれているので、その表情はほとんど見えないんだけど
欲しいところで的確に「ここにいるよ〜」と前に出てくる。
ベースにも…ちょっとうなってしまいました。ため息と言うか吐息と言うか…(笑)
どの楽器も本当に雄弁だけど、無駄口をきかないのが洗練というものなのか…なあ…まあ、そのときはこんなに冷静ではなかったけど…(笑)

数曲の演奏の後、Kyoji先生のご登場。
「ハードロックを全て、知りつくした男!」という厚見さんの紹介。

そこにはいつも私が知っているKyoji先生とは別の人がいました(笑)
私は彼とは御縁もあり、この2年ほど一緒にコラボをしたり、同じステージを踏ませて頂いたりして…いつも助けて頂いていて、他のメンバーさんよりは、少し身近な存在。
でもね。VOWのなかにいるKyoji先生は全くの別人(笑)
ストレートに言えば…彼はいつも調和を重んじる人。カメレオンのように、周りの空気を読みながら変身を繰り返す。それがたぶん彼の自然体だと気づいたのはいつだったかな…。

原宿で私は脚本と映像を担当しました。
私の絵とハードロックとのコラボは、想像できないと思う方もきっといらっしゃるでしょう。
でもね。ネタバレだけど、Kyoji先生のギターを聴きながら書いたデザインも、数知れずなのです。VOWもだけど、ソロのアルバムは特にイマジネーションを刺激されるの。
その中には数多くの物語も感じる。それを脚本にして、映像を付けて作り上げたライブ。
百戦錬磨のKyoji先生は、なんでもこなすスーパーマン。改めてその奥行きと幅に感動した訳です。
今はまた再燃しはじめたハードロックというジャンル。ジャズとかから見ると、ちょっとマニアックな香りが強い。
好きな人が好き…それも確かにそれでいいんだけど、そんなことよりもただもう少し
Kyoji先生を「神様」として雲の上にいる方ではなく、地上に降臨して欲しかった(笑)…というのが私の本音でした。そこのとこ、ものすごく迷ったし悩んだんだ〜(笑)

私が高崎市のイベントのために、他の人の歌う歌をKyoji先生に依頼した曲は、ジャンルの壁を越えていて本当に見事でした。
最初の曲「黒い道化師」が出来上がったとき、それを聞いた人はみんなただ、泣けて泣けて収集がつかなくなりました。
何時間も泣きっぱなし、歌いっぱなし…。宝物が生まれた瞬間でした。
私はそのとき、それまでのKyoji先生の音楽に対する見方が大きく変わった瞬間だったと思うんだ。
その後続々と歌は生まれました。もしもジャンルを…と聞かれれば「ニューミュージック」に一番近いかもしれません。

そんな経緯もあり…で、私にとって今回のVOWWOWはもう一度その原点を再確認した…という意味でも大きかったな…。

人見元基さんのヴォーカルは、これはもう、歌と言うよりも楽器だと思うの。あの身体からどうしてあんな声が出て来るのか、いつも不思議に思います。
たぶん全身が共鳴するようにできているとしか思えません。
正真正銘、類いまれなヴォーカリストであり、VOWWOWには欠かせない存在。
そして、Kyoji先生と元基さんはある意味「光と影」
このふたりが並んでいるステージでは、全く紛れることがなくそのふたりともが、それぞれに輪郭をくっきりとさせる…これもまた類いまれなコンビネーションだと思いました。

このメンバーの解散…まあそれぞれみんな、自分の世界を強く持っている人たちだから
仕方がないと思います(弱気で言ってるわけではありませんよ〜)
でもさ。あれからずいぶん時は流れた…。
何とかしてよ〜と正直な感想を書いてしまいます。
希望は全国ツアーだけど、まず年に2、3度くらいは、定期的に是非…。

「リスペクト」という言葉があります。それを私はVOWWOWというバンドのために
心から捧げたいです。

今日の絵は、Kyoji先生作曲の「眠るカラス」という歌に、私が描いた挿画。
今はタオル美術館に展示中だと思います。

2009.12.26 Saturday

VOWWOW…にワープした夜

伝説のライブが…渋谷で開催されました。驚いたことに全員指定席。
勿論満席。
チケット買えなかった人も数多くいたでしょう…。
1万円のチケットがオークションで7万5千円で取引されていたらしいですよ〜。


期待通り…おごそかにはじまったライブは、内容は勿論…構成も、伝説にふさわしい物語を感じました…。

改めて…ただ素晴らしい…それ以外に思いつく言葉はありません。

少し振り返ります。VOWWOWが世界へ羽ばたいて、瞬く間に日本のハードロックの歴史を創り、日本中が熱狂した時代は…そう長くはありませんでした。
それは…たった数年で伝説を創ったバンドと言い換えることもできるでしょうが。
突然の解散…私は「伝説」とは、もしかしたら…そういうものなの?…と思っていたかもしれません。

…けれど、そうじゃない!
伝説とは…がっちりと「歴史」を内包して、確かにそれが「事実」であると言う証言者たちの心が作り上げていくもの…そしてその伝説を正確に伝えていけるかどうか…それが観客だった私たちの使命だと考えています。
ちょっと責任を背負って、いよいよ書きはじめます(笑)

余分なものを全て削ぎ落とし、コアだけが輝いている…ものすごく洗練された音楽…それがVOWWOWと言うバンドです。
その完成度は、全てのアーティストがそれぞれのなかで精一杯表現して、なお、紛れていないと言うことです。

一流のミュージシャンというものが、何なのか…それはこのステージを見ればわかります。
「音楽」…あえて、私はこう呼びます。彼らの音楽はハードロックのジャンルをとっくに超えておりましたから…。
改めて「音楽とは?」…それが知りたい人は、このステージを見ればわかります。

長い長い空白を埋めて結集したこのステージがはじまったとき、私は深く引いたアイラインのことも忘れて、不覚にも涙が溢れるのを止めることが出来ませんでした。

…そして、私がまだ何も忘れていないことを思いました。
それはね。頭ではなく心が覚えているものです。この音の中にいると、何故こんなにも心が躍り、やさしいものが満ちてくるんだろう…。
…そうこの音の中には「矛盾」がひとつもないのです。

客席からは、感極まった声が飛び交い、座っていることに耐えられなくなった人たちも沢山いました。
2時間とは思えないスピードで、次々と演奏される曲は、どれもが心の奥の方までをまっすぐに直撃されるものでした。

後半は「立っていいよ!」という一言で、全員総立ち。
終了のインフォメーションが流れても、みな簡単に帰るわけにはいかないと、アンコールの拍手が続きました。2度目のインフォメーションが流れ、灯も付けられてあきらめかけたとき…またステージに戻ってくれた瞬間…私はこんなことを思いました。

「これはね!2時間で終わらせてはいけないステージなの…」と…(笑)
もう少し沢山のアンコール曲を用意して欲しかったな…まだ足りない…(笑)

私が証言者として、今一番伝えたいことは…私が若かったころ、素晴らしい社会が、まだそこにあったということです。一過性のものや、若い世代をターゲットにした計算された音楽には見向きもせずにただ、本物だけをまっすぐにとらえた社会が、そこにはありました。
「いいもの」が何なのか「本物」は何なのか…それを見極めることができるようになるまで人は沢山の「本物」と出会わなければなりません。

ましてや日本でここまでのハードロックが演奏されていること…それをもっと今の人たちにも伝えたいな…。

時を越えて生き続ける文学や、年齢とは関係なく成熟した音楽…が溢れた社会は、もっと豊かな社会へと続いていきます。
VOWWOWが海外にその答えを求めたこと…このバンドが長い間封印されていたことも同時に思いだされて、今更ながら失われたものを数えずにはいられません。

それを見極めて、復刻させる力が観客の使命だと思います。
私はそれを待つだけでなく、呼びかけたい!…と心から思い、このブログを書いています。

そうそう、さらりと書くけど(笑)…アーティストの使命とは…ふとそんなことを思いました。才能は…それを待っている人のために使うものだよ。
こんなにみんなが待っているのに…どんな理由があっても、続けて下さい!
1度っきりなんて…それはないでしょ(笑)

2009.12.25 Friday

サンタがカボにやって来た

イヴの夜だって言うのに…みんなで急ぎの仕事の仕上げで終電間際まで…
ごめんごめん…ちょっと遅れていた入稿…みんな私のせいです(すまぬ)
けれど、そんなカボ企画に夕方サンタがやってきました!
証拠写真はこれ↓カボのサンタの生写真で〜す!!


毎年必ず…サンタさんはやってきます。
いい子のところには必ずサンタさんはやってきます。


そしていつも…とびきり美味しい…メンチカツを届けて下さるのです(笑)
このメンチカツは、行列しないと買えないし…数も限定されているの。
「去年よりも一回り小さくなったみたい…」…と私。
「値段も上がったよ」…とサンタさん。
「でも…味は全く変わっていないね〜〜!おいしい!!」…とみんな。

カボではいつもサンタさんから連絡が入ると、すぐに山盛りのキャベツと
サンドイッチ用のパンを用意します!
いれたてのコーヒーと、メンチカツサンドは、この時期限定のカボのティータイムです。

サンタさんの写真は本当に正真正銘のご本人ですよ〜。

いつのまにか…私には沢山の友だちがいます。
その中には今日のサンタさんもいるし…どうも最近では、キリストも釈迦も
いらっしゃるような気がしてなりません(笑)
キリストのように道を説いて下さる友だち…お釈迦様のように黙々と見守って下さる友だち…
何故か共通の価値観は、とっても、食べることが好きな友だちばかりです(笑)

今夜はイヴ…明日はいよいよ待ちに待ったクリスマス!
奇跡にはまだまだ続きがあります。
それはまた明日のブログで…(笑)
2009.12.24 Thursday

ターキーとボルサリーノ

 
2009年 クリスマス&忘年会&バースデー。
すご〜く楽しいアットホームなパーティーでした。
何もかもおいしすぎて…食べ過ぎに注意って感じかな。
昨日はワインを少し飲んだけど、何故か全く酔わなくて…ちょっと自信を持ってしまいました。

お酒はほとんど飲めなかったけど、最近は薄めのジントニックとか、ワインくらいなら…少しだけ飲めるようになりましたが…食前酒効果で、食べ物がおいしくなるのよね。ノンストップで食べてしまいました(笑)

昔からの私の友人…ターキーを焼かせたらたぶん右に出る人はいません。

大きなターキーを二羽。
おなかの中には栗とお米が詰まっていて
クランベリーのジャムと一緒に頂きました。
真ん中には山盛りのクレソン。

写真だけで失礼しますが、世界中の人に食べさせてあげたい!って思うほど絶妙な焼き加減でした。

今年のバースデーケーキです。
毎年、いつも私のデザインのモティーフでオリジナルのケーキを作って
届けて下さる会社があるのです。
このケーキを作って下さっているパティシエさんは、とてもすごい人らしい。
全てのバランスが完璧なケーキ…こういうのって別腹だよね〜。まだちょっと後を引いています(笑)


大きなかごにぎっしりのイチゴも届きました!ものすごくフレッシュで甘いの。
みんなで夢中になって頂きました!

同時に与論島から、サーターアンダギーとよもぎのおもち。
沖縄のお祝いの時のパイ。

他にもちょっと口に出すのは、はばかられるほどの、嬉しいプレゼントも届きました。
実は先日友人の娘に久しぶりに会ったの。ものすごくきれいに成長して、なおかつお化粧がすご〜くうまい!
「ねえねえ。どうしてそんなに可愛い目元になるの?マスカラとかって…どうしても私巧くできないんだ〜〜」
そしたらね。友人の娘からマスカラセットが届きました!!!超ハッピー!!な私(笑)
5日間、ぶっ通しで毎日が誕生日…。いいんだろうか…。

これまた30年以上の長い付き合いのシェフの友人のセレクトメニューも絶品だったよ。
…何もかもが最高の夜でした。

そこで私は最後のスピーチで、こんな話をしました。

30年前にこの仕事をはじめて、ショップもあるので、15年間は全くクリスマスもお正月も、普段もまったく休みなしの生活。
バブルがはじけたり、大変なことも色々経験したけど
…そして、最近の10年は、あり得ないほどの楽しい年の暮れを迎えています。

人生は、いいことばかりでもないし
大変なことばかりでもない…それを私の人生で証明しているような気もします(笑)
だから、今がとても大変な人も…またいつか違う展開がやってくる。
どうせなら、全部楽しんで過ごしましょう…ざっと、そんな挨拶をしました。

明日のことは、わからないから素敵なんだ…。特に今が最低って思っているなら、とても簡単だよ。後は浮かぶしかないんだから。

仕事柄、私は良く倒産の憂き目を見る人にも出会います。こんな不景気の年の暮れ…。大変な人もきっと多いでしょう。今年も数件…そんな話を聞きました。
けれど不思議なくらい…そういう人から電話を頂くと、みんな元気な声で話すの。
「きっと再生する!今はまだ過渡期だから…」
ずっとしゃべり続けている人の言葉をいきなりさえぎって、私はこう言います。

「今、船のマストは折れているの。カジも壊れていると思う。そして、そのせいで海に投げ出された方たちもきっと沢山いるはず。そこがわかっていないと、どんなに新しい場所を目指しても、決して希望の場所にはたどり着けない!」…と。
 何故かそういうときに思い出す映画は、二十歳の頃に観た「ボルサリーノ」
アラン・ドロンが主演で、そんなに期待していた訳でもなかったのに人生のこといっぱい詰まっていたな…。

私はいつも自分の船がどんな状態なのか…なるべく客観的に見るよう努力しています。
マストが折れてしまったこともあったし、窓ガラスが割れていることもありました。
一番厄介なのはカジが壊れること…。その船はどんどん違う方向に流されてしまいます。
もちろん私の船も、カジが壊れたこともあったけど…それがわかれば話は早い。
直せばいいのです。

私の船は今東南に、その進路を向けて、2010年へと出航するところ。
来年がどういう年になるかはわからないけど…目指している港に向かい、帆を揚げようとしています。

2009.12.22 Tuesday

クリスマスには奇跡が起こる

そろそろ年賀状の準備も終わる頃。
来年の干支は寅…。
きっと色々と趣向を凝らした年賀状を作っている方もいらっしゃることと思います。

私が虎を描いたのは…この絵がはじめてです。
去年の春、「私の心の中に住む沢山のピエロたち」というシリーズのなかで、ギタリストの山本恭司さんをピエロで描きたいとコンタクトを取り、快諾して頂いたのは、そのまた前年でした。

…さて、構図は…と散々スケッチを描いていたときのこと。

ピエロなのでサーカスに登場する代表的な動物と組み合わせたかったのです。
Kyoji先生が馬に乗っている下絵や、象や空中ブランコをバックに描いた下絵など…あれこれと考えて、ピタリと納まったのが…虎でした。

ご快諾は頂いたものの、描き上がるまではお見せできませんと…コツコツ仕上げた絵。

ご本人にお見せするのは本当に勇気が必要でした。描き上がっても「まだまだです」と一日延ばしにしていたことを思い出します。タイトルは「虎を弾くピエロ」と名付けました。

思えば…この絵が新たな世界への扉を開いたと言ってもいいと思います。その後高崎のライブのための作曲や、ついには御出演もお願いしたりして…次には、今度はお誘い頂いて…YAMAHAさんの実験スペースでのコラボとなり…そのライブをまた四国のタオル美術館9周年イベント用に作り替えたり…。それまでの私の日常から見ると、天と地がひっくり返るような大わらわの日々(笑)

さすがトラは…一日で千里を走り、千里を帰る…と言われるように、強大な力を秘めていると言われているはずだ…と今頃になって納得している私(笑)

去年の昨日…原宿の山本恭司さんとのライブ「クリスマスには奇跡が起こる」…あれから丁度1年です。
そのときのパンフレットの表紙にも使った絵…少しトリミングをしてあったので
今日はその全容を大画面で載せてみました。
この絵は現在タオル美術館に展示中です。
今年のクリスマスにも…奇跡は起こりました!
「アックスの奇跡」…Vの時代…VOWWOWの…あの伝説のメンバーが一日だけの再結成します!…それも25日に。

…そうクリスマスには必ず奇跡が起こるのですよ(笑)

きっとこの日を待っていた方は数知れないことでしょう…。私も走馬灯のように色々な想いがよぎります。
はじめてVOWWOWのコンサートに出かけた日のこと…中野のサンプラザだったけど、その後すぐに色々な人を誘って、厚生年金会館にも…当時の私のスタッフもみんなで、熱狂した記憶があります。

たぶん記憶に間違いがなければ…あれから26年…矢のように過ぎていく日々のなかでも、私の中で音楽は鳴り続けていました。もちろんKyoji先生のソロライブも、今のBOWWOWも素晴らしいけれど…音楽と言うのは、自分がその音楽と出会った時代を鮮やかに記憶しているものなのです。

コンサートを通じて、そのころの自分にタイムスリップすることができるものは、そう多くはありません。
映画だったり本だったり…そのなかでも筆頭はやはり「音楽」かもしれませんね。

オードリー・ヘップバーンが「ローマの休日」のなかで、語る有名な台詞。
王女として訪れた国に決して優劣を付けてはいけない立場なのに…「どこも素晴らしいと思いました…」けれど、その禁を破り、きっぱりと「ローマです!ローマが一番強く印象に残っています!」(台詞は違うかも)…というシーンを、今思い出しました。

…そう私のVOWWOWも、そのくらい特別な存在なのです。
どの時代も楽ではなかったけど…特に自分のオリジナルを仕上げたくて、外部の情報を閉ざしていた時代。どんなものにも影響されることが嫌で、悶々と過ごした日々。

告白すれば…私がKyojiのギターをはじめて聴いた日…実は仕事でボロボロになっていて、こんな状態でハードロックなんか聴けないと、渋々出かけたのです。
はじまってからの2時間余り…で、私は眠っても、休んでも取れなかった疲れが、見事に回復してしまったのに驚いていました。

これは何?…一体何?…それをもう一度確かめたくて、すぐに次の公演を調べて、スタッフも一緒に誘ったの。コンサートの後、誘った人たちもみな一様に同じことを言いました。
それほどの鮮烈な印象を今も忘れていない私。

その後はまたこもりきりの生活でも…手元にはいつもレコードが置いてありました。そのレコードをエンドレスで聴けるようにテープに吹き込んで、VOWWOWの曲をガンガン流しながら、私は毎日歯を食いしばるようにして、筆を持ち続けました。

こんな話はKyoji先生はたぶん知りません(笑)
…ある意味そこには、私しか知らない…私のVOWWOWが存在しているのです。

あのころのVOWWOWの曲なら、もしかしたら私はほとんど空で歌えるかも…(笑)

去年主人が、昔のレコードを聴けるようにと、手作りのアンプを作ってくれました。
私はかなりレアなアルバムを数枚、今も大切に持っているのです。
それを大音量で流したとき…主人も「ああ…懐かしいねえ…」と。

それぞれの心の中には、それぞれの思い出があります。
25日…私はその思い出に会いに行きます。

そうそう…YAMAHAさんの銀座のビルが来年2月に完成します。もう発表になったので書いてしまっていますが…(まずいかなあ)そのこけら落としには、山本恭司さんと佐野史郎さんの小泉八雲…が予定されています。今からとても楽しみにしているの。
それはまた、今の私の時代のなかで…演じている恭司さんとも佐野さんとも、別の次元で私の生涯の思い出のひとつになることは間違いがないでしょう。

去年の原宿のライブの御縁で、私は銀座のYAMAHAオリジナルの雑貨企画をいくつか仕上げました。サンプルも無事に上がって…ちょっと肩の荷をおろした所です。
かなり可愛い自信作が発表できると思います!是非皆様その節はぜひ、足をお運びくださいませ。

さて…去年に引き続きたぶんまたKyoji先生とのコラボも、5月頃には具現化しそうかな…。
どうしてもゼロからまた、作り上げたいので…少し時間が必要です。
気長にお待ち頂けると嬉しいです。

スタジオの工事が大幅に遅れて、年明けになりそうです。
夢のような…自分のスタジオ…そこで一体どんなものが生まれるのか…まだ私にも見当もつきません(笑)
今年のクリスマス…どうぞ皆様にも素晴らしい奇跡が起こりますように…。

2009.12.21 Monday

素敵なツリーが届きました!

 
クリスマスの飾り…今年は無理かな…と思っていたら…とても可愛いツリーが届きました!
毛足のなが〜いボアでできているのです。
オーナメントは全部私の描いた猫のイラストがプリントされた布に
丁寧に綿が詰められて作られています。
とても繊細に作られているので、写真では細部までご紹介できないのがとても残念ですが。
それにまた手作りの可愛いカードが添えられていて…中には宝石のような言葉が
びっしりと書き込まれていました。
今日ちょっと用事で外に出たけれど…クリスマスの雰囲気はいまひとつ。
けれど、我が家はこれをテーブルの真ん中においてみたら
一気にクリスマスムードが満載、
なかなかに存在感のあるしろものです(笑)

これは今一緒に仕事をしているぬいぐるみの会社…鷏サンアローさんの企画の人たちの手作りの力作。金色の箱を見たとき私は「マイケル・ジャクソンかなあ…」とつぶやきました。
実は最近彼女たちの社内のクリスマスイベントのDVDを見たのです。
We Are The Worldを熱唱しているのは、全部彼女たちが作った人形。指人形なので音楽に合わせて、大きな口がぱくぱくと動きます。
主役のマイケルも、堂にいった風情で…もう散々大笑い!堪能させてもらいました。
スティービー・ワンダーもティナ・タナーもよくできていたなあ…。…それが余りにも強烈な印象だったので…思わず…(笑)

いつもカボ企画にサンアローの女の子たちが集まると、一気に会社の空気が変わるの。

カボのスタッフたちはどちらかといえば…みんな男前(笑)
サンアローの企画の女性たちは…みんな絵に描いたような「おとめたち」なのです(笑)
彼女たちと話していると、ふと、女子校時代にタイムスリップしたような感覚になるの。

今日は私の…ちょっと口にだすのははばかられる?回目の誕生日。
あちこちから、沢山メッセージやプレゼントが届きました。
少なくとも今日一日は、誰に何と言われても「世界一の幸せ者!」だったよ!!
心から感謝を…本当にありがとう…これからも頑張ります!
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