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2009.06.30 Tuesday

絵と花に囲まれた思い出の店…新宿トップス閉店

 学生時代から通い詰めていた店。
…40年以上の歴史に、昨日幕が下ろされました。
正直に言って…さびしい…です。
















新宿に行けば、あの店がただ黙ってそこにある。いつの日も変わらずに。
故郷のような位置にあった店が…今日はもうない。
そういう不在感には、代わりが効かない。

昨日は最終日というのを聞いて、すっ飛んで行きました。
懐かしい顔ぶれが、ごくごく自然に、ただそこに集まっていました。
とても賑わっていたので、みんなぽつぽつ雑談するだけの時間…
私がその店に通いはじめてから38年…このごろでは滅多に出かけることもなくなって
それでも、新宿…といえば、必ずそこで食事をしたり、お茶を飲んだりしました。

学生時代にはじめてその店に行ったときのこと。
当時はまだ2階建てで、桜の木で作られた店はとても温かい空気がいつも流れていました。
1階にある大きなテーブルが私の定位置。…そこにいつも活けられていた花に
私は一瞬で心を奪われていました。
さりげない野の花が、無造作に放り込まれているだけなのに「ここに私がいます」と
語りかけて来るようでした。

私は持っていたスケッチブックに、その花を描いて、自分の絵のつたなさにため息をつき
その花の可憐な、けれど力強い生命を描くことが出来なくて
打ちひしがれたりしたものです。
3年後…縁とは不思議なもの…当時その花を活けていた人に、私は全く違う場所で出会ったの。
当時も…(笑)色々なことにくじけそうになっていた私。
その方は、私の絵や言葉を書いたノートをごらんになり、とてもはげまして下さいました。
「君は絶対に絵を描き続けるべきだよ…」と言って下さった方です。

私が自分の家に飾ったり、頂いた花を活けるときは、今でも必ずそのときの花が
心の中の引き出しにしまってあり、「あの花のように…」と祈りながら
一本ずつ花と向き合います。

そんな思い出も、もっと細かな色々なことも…今の私を作ってくれています。
そこの庭にはシンボルツリーのケヤキが、季節ごとに表情を変えて静かに立っています。
あの木を植えた庭師の方は、昨日はお会いできなかった…。
その方は、私が子供を産んだばかりのある日。
抱えきれないほどの花を手に持って、我が家に来て下さいました。
山で咲いていた花を、摘んで来て下さったのです。

昨日は30年振りくらいに再会した方もいて…一気に時を戻されたような不思議な空気が
流れていました。
「集う場所」…というのは、そう多くありません。
その不在感と正面から向き合うまでには、たぶん相当の時間が必要でしょう。
もしかしたら、私の一生の中ではずっと目を閉じているかもしれません。
…新宿にはいつも変わらず、あの店が私を待っていてくれる…そう思い続けていても
いいのでしょう。
…同じような想いを、きっと沢山の方がお持ちだと思います。
けれど私は…だからこそ私は…「新しい人生のはじまりだね!」と生意気にも申し上げました。
ずいぶん昔…その店のオーナーのひとりである方が…
「小さな…本当に小さな…ジャズが流れている喫茶店を作りたい!」とおっしゃったことが
ありました。ご本人はもうお忘れでしょうか?
私はその店なら…ちょっと代わりになりそうな気もしています。
近々ゆっくり、お食事にでもお誘いして、昔の夢をもう一度思い出して頂いて…
出来るなら私の住む街…東高円寺に、そんな店を作って下さいとお願いしてみようと思っています。
私は今日も淡々と絵を描いています。

2009.06.27 Saturday

Michael Jackson追悼…いつか月の上であなたに会いたい



 
このブログでは、なるべくニュースとかから感じたコメントなどは意識的に控えてきました。
何故かと言うと、色々な意見が混ざってしまうから…。
報道は、時に自分が感じたこととは違う方向に焦点が当てられています。そして、テレビではひとつの報道に対して、色々な人がコメントをします。それを鵜呑みにはできない…と思うの。

同じ映画を観たとしても、人は全く違う感想を持ちます。
…どれが正しいとかいうことではなく、自分の心が感じたことを私は何年も繰り返し考え続けていたりします。

答えは無限です。

被害者が、ある日気づいたら加害者になっているかもしれません。私は私のアンテナにひっかかったことを、何度も何度も整理して考えます。昨日考えていたことと、全く違う側面から考え直したとき、今日は全く違う意見を持っているかもしれません。
だから、中途半端には書きたくないと思うのです。

けれど、このニュースには愕然としました。
Michael Jacksonの突然の死…私は決して特別なファンでもなく、彼のことを知っている
訳でもありませんが、折に触れて聴こえてきた歌や、素晴らしいパフォーマンスには
当然のことながら、感動も夢も…与えていただいたひとりです。
人間は素晴らしい!表現は無限だ!…と興奮して遠くからながめていただけの私。

ずいぶん前の日本公演は、誘って下さった方がいて、遠くで歌い踊るマイケルの
コンサートに出かけました。
そしてつい、1年ほど前にDVD の編集作業の途中でスタッフが買って来てくれた
Michael JacksonのDVDは、私の手元にあり、いつ観ても素晴らしい!の一言に
尽きるものだと思います。

このスーパースターの死は、自分でも訳がわからないほどの衝撃を受けました。
正直言って、多少混乱気味です。
私の心の中の、ものすごい喪失感のようなものは、まだ言葉では言い表わせません。
あれだけ沢山の人たちを勇気づけ、楽しませてくれたマイケル…。
これで良かったの??…と問い続けている私。
色んなことが取り沙汰されてるけれど、そのどれもが一方方向のように見えています。
「幸せってなんだろう…」みたいな問いかけも沸々とわきあがってきます。

けれどふと、今「とても幸せな人生だった…」という声が聞こえたように思いました。
…そう、きっとマイケルは誰に聞かれても、そう答えるでしょう。

以前、テレビでインタビューを受けていたマイケルを見て感じたこと…無防備でただ一生懸命
質問に答えるマイケルのなかに、まじりけのない純粋なものを感じていました。
それがものすごく痛々しかったな…。
皮肉な質問にも、まっすぐに答えているのを見ながら、
「汚れた海の中に住む最後の本物の魚かも…」という印象を持ちました。
天使のまま地上に舞い降りてしまった…そんなふうにも感じました。
そして、同じ番組を見ていた友人がマイケルを非難したとき…私は自分でも驚くくらい、
彼女の言葉に抗議していました。

夢も希望も挫折も、全部矢面に立って世界中に教えてくれていたMichael Jackson…
彼の死のなかにも、きっと沢山のメッセージが含まれているのだと私は感じています。

「いつか月の上であなたに会いたい」…この詩はずいぶん前に書いたものです。
人生の中に静かに横たわっている矛盾や葛藤…長年私もそんな見えない壁の前で悶々と
生きてきました。私が私のままで、あなたがあなたのままで生きていく…
ただそれだけのことがとても難しいと、今でも時々思います。
…そして、私は今夜はじめて、youtubeに、私の動画と朗読をアップしました。
是非ご覧頂けたら…と思います。
http://www.youtube.com/watch?v=SY51oHk8OXQ

ほとんど同じ時代を生きて、たくさんの感動と夢と愛を無条件に
手渡してくれたMichael Jackson氏に心から哀悼の意を表します。
私の心の中に星空があるなら、その中でもひときわ強く輝いていた星…
それがMichael Jacksonという存在だったことに、今になって思い当たっています。
ありがとう…そして、お疲れさま!!
私の夜空であなたという星は、決して消えることなく輝き続けます。





2009.06.26 Friday

友希さんへ


コメントありがとう! ずいぶん前に書いた本だけど、読んでくれてありがとう!

 なんか…すご〜く嬉しかった。友希さんのコメント…ダイレクトに伝わって来て、これ読んだ後の私…やたらに元気が出て、かなり仕事もはかどりました。
ちゃんとちゃんと受け取りましたよ。本当にありがとう。 

それにものすごい洞察力だと思うよ。あの本を書いた時のこと、思い出しました。 さらりと読むこともできるけど、また別の日に読むと違う風景が見えて来るような本が…書きたい!って思いながら書いたの。 

そして挿画を描くときも、色々考えた。 言葉と絵を両方書いて来たからこそ、挿絵で文章を説明するのではなく、もっと違う、奥行きを感じて頂けるように…と、私の心の奥をそっと描いたりしました。 

それを全部さらりと書いたコメント…びっくりしました。ご指摘のように私の本って、すらすらと簡単に読めてしまうものね。それはそれでいいのだけれど、このコメントに私がどんなに勇気づけられたか…それをお伝えしたくて、丁度仕事の区切りがついた今、ブログに返事を書きはじめました。

 子供の頃から本が好きで好きで…家族が寝静まったのを見計らって、真夜中に起きてよく、小さな灯で本を読んでいました。いつか一冊でいいから、本を書きたい!…と思っていた私。 
中学生位からは、毎日のようにペンを持って、1週間に大学ノート1冊くらいは書きまくっていたかしら? 余りに書き過ぎちゃったのかもしれません(笑) 本を書きはじめてからはむしろ、ものすごく少ない言葉で表現しようとしていました。

いつも私の読者でいてくれた母は、「深読みしなきゃならないのって、めんどくさいよ。もっと素直でもいいんじゃないかしら?」と痛烈に批評されたりします。…でもなかなか自分のスタイルは変えられなくて、最近は少し本を書くことから遠ざかっていました。 

つい先日、また出版社からお誘い頂いているけれど、何を書こうか…まだ決めていません。 このブログを書きはじめたのも、他の仕事が忙しくて、なかなか言葉を書く時間が取れなくなって、スタッフにはリハビリブログなのよ…なんて言っています(笑) 

実は私はもう17年くらい前から温めていた長編の物語を、つい最近5月の連休位からまた書きはじめています。 別に急いでいる訳でもないし、色々と忙しい毎日なので、なかなか書き上がらないけれど、友希さんのコメントで、ちょっと頑張っちゃおうかな…なんて思っています。
そうそう…最近の私は「歌」を作っているの。とは言っても私は作詞を書くだけ。作曲はまた別の方たちです。

今はまだ色々と準備中なので、まだ私の手元にあるものが多いけれど、映像を作るのも大好きなので、動く本のように、メロディーが付いた物語のように歌を作っています。
準備が整ったら、またブログでご紹介できると思います。

また是非遊びに来て下さい。
今日の写真は、今まさに旬のサクランボ…友希さんのイメージにぴたりの感じだったのでこの写真を選びました。

産地から送って下さった方がいて、スタッフ一同大喜びで頂きました!ごちそうさま!
おかげで今日も素敵な一日、心からの感謝を込めて…。

2009.06.19 Friday

あんずの種















スタッフの実家の庭で、今年は豊作…という「あんず」を頂きました。自然な優しい味がしました。
乾燥したものだったり、砂糖漬けになった加工品の方がなじみ深いのは、「あんず」自体が主張しない果物だからかな。
ハッとするような美しいオレンジ色の見かけよりも…ずっとシャイで繊細なあじわいです。
写真は、もうかなり堪能した後のもの。
今はまた更に…ついついつまんでしまって、言い訳のように一粒だけがお皿に乗っています。

夕方よりも少しずつ色が濃くなって…いるようで、じっと見つめるたびに
「今が食べごろ!」と聞こえたような気がしました。
種は…多分杏仁豆腐に使われる薬膳だったような気がします。
食べ終わった種をひとつぶ手のひらに乗せて…さっき、庭の一番大きな鉢に植えてみました。
芽を出すかもしれません。

今日はみんなでお茶をしながら「ビジョン」についてひとしきり話しました。
私は勝手に私なりに「ビジョン」を定義していて…「成りたい自分のイメージ」のようなものだととらえています。
…それさえあれば後は簡単。目標に向かって行動あるのみ…。
理想の自分…だったり、理想の生活を目指せばいいのだと思うの。
ちなみに今の私のビジョンは…言葉を沢山書いて暮らしたい!…と思っています。
図案やイラストは毎日のように描くけれど、言葉はそれから見ると少なかったような…。

子供の頃から本の虫だった私は、いつか言葉を書く仕事がしたいと思っていました。
勿論本も結構書いてきたし、色々やって来たけれど一番好きなのは「詩」を書くこと。
どんなことでも簡単ではないけれど、今はなるべく心に浮かぶ言葉を素直に書くことに
しています。
一粒の種が芽を出して、大きな木に育つ確率は多くないでしょう。
そんな思いを込めて、私は庭に一粒の種を植えました。
それは特別な肥料や土を用意した訳でもなく、ただ土に戻すと言うだけです。
土の中に住む小さな虫たちが喜んで食べるかもしれません。
それでも小さな種は自力で上へ上へと伸びて行こうとするかもしれません。
そんなふうに自然体で生きていきたい…それも私のビジョンのなかにあります。

実はこのお宅から冬には、やはり庭で採れたと言う「ダイダイ」を頂きました。
季節が変わるたびに、果実が成る庭も、私の憧れ。

東京の私の小さな庭に、毎朝小鳥たちがやってきます。植えた記憶がなくても
小鳥たちは時々小さな種を、私の庭に落として行きます。
見覚えのない小さな赤い実をつける南天のような木は、そうやって数本元気に育っています。





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