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2009.04.20 Monday

浦島太郎

おっと…書き上げてすっかりUPするのを忘れていました。
今ちょっと私は別の仕事に夢中になっているのです。

実は2週間ほど前の日曜日、原宿のYAMAHA SoulSwitchで、佐野史郎さんと山本恭司さんの小泉八雲第2弾…を観に行きました。
去年の12月にKyoji先生とコラボさせて頂いた思い出の場所です。

開演前に1階のカフェで、お茶。…ここも私の思い出の引き出しにリボンをかけている場所。それにしても日曜日の原宿は本当に元気な街です。

けれど、会場に入った途端から異空間への扉が開いたようでした。第一弾は「耳なし芳一」がコアになった物語で、今回は「浦島太郎」…一般に知れ渡っている物語と原作が違うことは良くあるけれど…「浦島太郎」もそうだったとは…。
佐野さんの朗読には、何かが宿っているような迫力があり、Kyoji先生のギターも、増々雄弁で、思いっきり進化しつつ、見事な作品に仕上がっていました。

ケミストリー…という言葉は、YAMAHAの方が良く使います。全く違う二つのものが出会う時、不思議な空気感が漂いはじめて、あれよあれよという間に観客を異次元の世界へと連れて行ってくれます。
密度のようなもの…を例えると、極上のフランス料理のソースにも似た…複雑で…けれど解読不能なバランスの良い味付け…のようなステージは、集中していたせいか、あっという間に終わりました。
その後のふたりのトークは、息の合ったもの。…さすが同級生です。
私は再度、再々度…言葉の持つ力、音楽という優れたツールに魅了されつつ、新たな気持ちで自分の表現と向き合いはじめています。

触発されること…これはクリエーターに取ってみれば、どんな御馳走よりも、美酒よりも甘美なもの…。
私は触発されて今また、新しい表現へと移行しはじめています。

浦島太郎の原作を聞いた時、私は泉鏡花の「海神別荘」という戯曲…を思い出しました。時を超えて生き続けている物語には、どこか不思議な共通項のようなものをいつも感じます。
このふたりのコラボは、これからも見逃せない…そういえば三回目は「雪女」らしいですよ。今からすでに、もう楽しみにしています。
今日の写真はタオル美術館のリニューアルで作った作品の一部分です。
何故か亀がいたの(笑)実際は4メートルもある大きな作品です。

2009.04.07 Tuesday

明日から展示会

タオルとエプロンの展示会…今年の秋冬物の新作発表が明日から、それぞれの場所で開かれます。今回のテーマはふたつ。
「色」と「思い出」がキーワードです。
…また前回とはがらりと雰囲気を変えました。最終サンプルをチェックしながら、本当に長いこと「ものをつくる」現場に居続けていられたことに感謝しています。

私の知らない場所や、私と面識のない方たちにも沢山お使い頂いているからこそ、続けて来られたのです。本当に心から感謝です。
時代はとても速く、流れていきます。以前は「十年一昔」と言ったものだけど、今は「一年一昔」…くらいでつじつまが合うかしら?
かといって、私は時代に関してはこう思っています。
追いかけて行くよりも、私の人生の時代の断片を形にしたいと…。

少女の頃憧れたものを思い出すときもあるし、この先私が過ごしたい生活を夢見て作ることもあります。時代は確かに変化して行くけれど人間の本質は、そう簡単に変わる訳でもありません。
暮らしに根ざしたものつくり…私には一番居心地の良い場所です。

カボ企画では最近みんな料理熱があがっています。
「土日は何作るの?」…そんな会話が飛び交います。ちょっとしたときに、ささっと作る私の料理を、スタッフたちにごちそうすると、すぐにトライしてくれるのも嬉しい。
スタッフの中に、ものすごく本格的な料理を作る人もいて、私も触発されています。

料理はものつくりの原点にあるようなもの。
食べても楽しいし、食べさせるのも嬉しい。…私の企画はいつもそこらへんから発想が広がって行きます。

今回のエプロンは特に素材に注目して欲しいな…おなじみのデニムも、私流に作りました。ジャカードで表現したペン画や、素材からインスピレーションを受けた織物なども盛りだくさんに発表します。

少女のように愛らしいものも、スタイリッシュなものもあれこれと揃えました。
毎日が楽しく過ごせるように…軽い素材や、温かい素材。プリントもよく見て頂くと結構凝っています。

スタッフとみんなでキャーキャー言いながら試着をしている時間に、私はそれをお使い頂く方たちを想像します。寒い冬に外で仕事をしている女性や、夜遅くまで立ち働く女性たちの毎日に、ほんの少しでも色を添えられたら…。
そんな気持ちで、ひとつひとつチェックをして行くのです。

ポケットには最近特にこだわっています。
それは是非、全国の百貨店でご覧頂きたいと思います。

写真はタオルの展示会の私のブースの入り口。本当は今見せちゃいけないかな…と思いながら、とても美しい写真に撮れたので、掲載してしまいました。
けれど自信作はこの扉の後ろにも沢山並んでいます。どうぞ皆様ご期待くださいませ。

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