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2009.02.21 Saturday

節目とか節穴とか

今日タオル美術館のリニューアルの大物作品の搬出をしました。チャーター便の4トントラックの走り去る音を聴きながら、私は睡魔に襲われてベッドに駆け込んで、ひたすらひたすら眠りました。
…で、やっと復活。

写真は搬出した後に作った作品。タイトルは「節目とか節穴とか」
後になって振り返ってみるとあのときが人生の「節目」だったと気づいたり、ちょっとした一言を聞き逃して…ああ、私の目は節穴だった…と後悔することも多かった私の人生に対する自嘲も含んでいます。

今回のリニューアルの作品群は全体的にはものすごく明るく、色鮮やかに仕上げたものが多かった。
楽しんで頂けるようにと色々考えて沢山の作品を仕上げました…が、ガランとなったアトリエでひとり…全く違う作風で、今また黙々と作り始めています。

時は空前絶後の世界恐慌と言われる時代。私の中にまっぷたつに分かれるものがあります。ちょっと欲張ってその両方をお見せしたいと思っている訳。

この土、日…久しぶりに休みを取りたいと思ったけど、いまだに創作意欲に火がついたままです。このままちょっと走り続けてみようと思っています。
いつも集中して作ると同時に私の手元を離れて巣立って行くものたちには慣れているけれど
今日スタッフが搬出しながら「もう少しながめていたい!」と叫びました。
…そう、みんな必死だったからね。良くついて来てくれたと…ただただ心の中で頭を下げました。
私の制作は終始画面に向かっているだけ。…ほとんど説明もしません。何が始まるのかいつ終わるのかもわからない現場です。
最後の日は、手を離せない作品の仕上げでみんな時間を忘れて、深夜遅くまで手伝ってくれました。…ものすごく細かい手作業の連続は、とてもひとりでは越えられなかったな。…そう、言うなれば、テレビドラマの手術室に似ています。制作中は集中し始めると必要最低限の言葉しか発しなくなるの(笑)まあ、お茶目なスタッフとかがなごませてくれるので笑い声は絶えない現場だけどね。

搬出の直前…だれかが「ああ、もう行っちゃうんだ…さよなら…」と言いました。
「大丈夫…3月にはきちんと全部設営されたところが見れるから…今回は恵まれているよ。すぐに会えるから」…と私。
四国は遠い…いつも必死で作って、再会できるまでに2年ほどが過ぎているときもあります。写真や図面で確認しても、やっぱりわからないことも多い。今回は久しぶりに制作前に四国を訪れて、スケール感を身体に叩き込んでからの制作でした。
ここまでの大幅なリニューアルはオープン以来はじめてのこと。

けれど直前までジタバタするのは私の癖かも(笑)
みんなお疲れさま!!
来週になったらゆっくり「焼き肉」でも「お寿司」でも何でもごちそうするからね〜!
私事で恐縮だけど、今回はスタッフのために書いたブログです。
さあ、Kyoji先生とのコラボももう少しだ!そっちも頑張ろう!!
そうそう、今回は感謝祭のチケットプレゼント。先着順です。どしどしお申し込みください!
詳細は、このHPから飛んで下さい。今制作しながらライブの構成を考え中です。自分でもついて行けないほど、発想が飛びまくっています(笑)ご期待ください!


2009.02.14 Saturday

9周年目のタオル美術館

最初は影も形もなかったものが、ある方の頭の中で少しずつ形を作り始めていました。
丁度今から10年ほど前のことです。
私はその数年前からタオルメーカーさんとライセンス契約をして、本格的にタオルのデザインを手がけ始めたころのこと。
縦糸や横糸の関係や、タオル織機の仕組みなども何も知らないところからのスタート。その会社の企画の方たちに手当たり次第、小さな子供のように質問攻めにしていた日々を今でも時々思い出します。
一広株式会社というのがその会社の名前です。社長の越智逸宏氏は「男の浪漫」を胸に秘め、一見伝わる強烈な個性とは裏腹に少年のようなまっすぐな心の持ち主。お会いした瞬間に…ああ、私はずっと、この人と会いたかったんだ…と直感しました。

このときの出会いが、私の人生を大きく変えたと言っても決して過言ではありません。もしも運命というのが存在するのなら、越智逸宏氏との出会いは運命そのものだったような気もします。

私たちは一目で意気投合しました。
ものつくりに対する「温度」…みたいなものが私の環境のなかで微妙にずれてきたことに気づき始めて、もどかしさを感じていたときのこと。それはまさに完璧なタイミングの出会いだったと思います。
机上の空論ではなく、現場が欲しい!まだアナログとパソコンが渾然一体となっていたデザイン業界のなかでも、ささやかな小物を作り続ける小さなメーカーを経営している私が切望した「現場」が突然目の前に現れたのです。それも溢れる情熱と夢を連れて。

…スタートは決して順風満帆とは言えませんでした。
けれどすぐに流れが変わり始めました。「タオル」と一口に言ってしまえばそれだけのことですが、いざ向き合ってみると、ものすごく奥が深いものです。
手法も様々…プリントの表現やジャカードの織り上がりの見え方など…いくら勉強してもたどり着けないものがその中には多く含まれていました。
世界中でも日本のものつくりの現場の素晴らしさは充分認められているけれど、直接一広さんと仕事をしてみたら、なるほどと思いました。本当に日々たゆまない努力の積み重ねがあるのです。それに温度の高い志が…。
現在では自社工場を中国やベトナムに移しましたが、その基本理念はずっと貫かれています。

そんなある日、越智逸宏氏と食事をしながら私は彼の夢と向き合いました。
「いつか今治にタオルの製造工程などをわかりやすく一目で伝えられるようなものを作りたいとずっと思っていた。その中には美術館もあって、沢山の人たちに楽しんでもらえるようなそんなテーマパーク的なものを作りたい」とおっしゃったのです。

その日を境に、行動力も実行力も抜群の越智逸宏氏は、いきなりその夢を実現するために走り始めました。建設予定地は決まっていましたが更地の何もない場所を訪れたのは
それからしばらく過ぎたころでした。
美術館の部分は、全て私の意見を取り入れて頂き、完成した日のことは忘れられません。

今年の春タオル美術館は9周年を迎えます。大幅なリニューアルとライブ。ライブはチケット制ではなくタオル美術館からのプレゼントです。あの山本恭司さんのギターと歌…そして、私の朗読で構成しています。
お近くの方…勿論遠方からでも…どしどしお申し込みください。詳細は追ってこのブログで紹介致します!…ごめんなさい。制作に夢中で、まだ把握しきれていません(汗)日にちは3月の14日、15日の2日間ですよ。




2009.02.12 Thursday

いっちゃんのコメントの返信

コメントありがとう!それもすごく嬉しいメール。私はね。最近年齢について考えることが増えた。今まではそんなことどーでも良かったんだけど…。なりふり構わず一生懸命にもの作りをしていれば、それで幸せだったと思います。
でも、ふと思った。本当にそうかしら?ってね。
「巣穴」と自分で名付けたアトリエでこもっている生活は心地がいいの。余分なアンテナが触れないし、たまに心が傷むことに出会っても、好きな音楽や本に囲まれている生活は傷の回復が早いような気もしていたの。

高崎でのライブは、本当に土壇場までジタバタしました。原宿もある意味ではそうだけど、色々な方のアシストが素晴らしかったの。
…そして色々と考えました。これから先のこととか…(笑)そうしたらまだまだあるある…やりたいことが次々に顔を出して来た感じ。表に出るのが極力嫌いな私が、何故か舞台だけは大好き。
子供のころから一番の遊び場みたいな場所だったから…。
だから、もしもこの先もつながっていくのなら、今のままじゃ駄目だって思ったのよ。
「夢を売る仕事だから私はどこにもいない方がいい…。私の作ったものはすべて使って下さる方のために…」って肝に命じてきた人生でした。
それはそれで全く後悔はありません。

だけど楽しいんだ!ライブの構成を考えたり、歌を作る時間が…。リニューアルの仕事が済んだら、四国でライブをやってきます。その後はすぐに新曲のレコーディングに入ります!
私の新しい夢の道…今頃になって、やっと扉が見えてきました。
一度しかない人生ならば、思いっきり生きてみたいって思うようになったの。

女の人生は大変だ…仕事を持ちながら子供を産んで、育てていく時間はとても長いしね。その中には勿論大きな喜びもあるし、大変だからこそ達成感もあるけれど、そこに一段落がついたら、何か目標を失うみたいな空虚な感じは否めなかった。
勿論私には定年のない仕事があるけど、心を支えてくれるものって何だろうって思ったとき…月並みだけど「夢」しかなかった。

夢を叶えたいと思っています。今までも奇跡のように叶ってきた夢は沢山あるけれど、その物語をネヴァーエンディングにしてみたいの。
是非いっちゃんに伝えたいこと。…これだけは忘れないで…いくらでも変わることが出来るってこと。夢を叶える力は、年齢とは全く関係ないということ。
それが私の散々考え抜いた結論だよ。
4月にはCDが発売になります。今の時代のものとは全く違う発想で作り込んだもの。
多分今の私の究極の商品企画だと思います。

そして次々考えている事があります。その夢の話はまた今度ゆっくり。
私は人生に折り合いをつけたくないんだ。今日できることは無限にあるし。
それを精一杯やったら、自分を少しいたわりたいと思いました。カラスの行水だったお風呂ものんびり入ったり、鼻歌を歌ったりして…。
クリームなんか塗ったことがなかった私の手に、最近クリームを塗り始めました。
ちょっと「ありがとう」なんてつぶやいたりして…。
だって、本当に良く働く手なのよ(笑)
足もちょっとマッサージなんかしたりする。
するとね。手は答えてくれる。足もね。
でもきっとそんな些細なことが大事だって思うこのごろ。
年をとるのは悪くないよ。若い頃には見えなかったものが、きちんと輪郭を持って来るの。
元気の出るメールをありがとう!またゆっくり会いたいね!





2009.02.11 Wednesday

やっと心に余裕ができた

リニューアルの制作に没頭していて、更新にかなり時間があいてしまいました。お待たせしました!
ようやく全容が見えてきたので、今日は中休みモードで、久しぶりにブログを開きました。
制作に入ると私はいきなり、昼夜の区別もなくなります。普段は一応時間帯はずれていたりするけど、それなりに規則的。
最近はまたその時間帯が大幅にずれたり、寝たり寝なかったりの生活です。
おかげさまでちょっとしたダイエットにも成功しつつ、制作も順調。ようやく心に余裕ができはじめています。

他にも去年からの宿題があって、実は12月のライブ「クリスマスには奇跡が起こる」…のとき、抽選でおふたりに小さな絵をプレゼントする約束をしました。
いざペンや筆を取り出して描きはじめてみると、迷う迷う(笑)
結局あれこれと何枚も描いて、最終に持ち込むまで…また描く…というのを繰り返しました。
幸せを届けたいというのが、一番のテーマ。
人はどんな絵を見たらハッピーな気持ちになれるのかしら?
そんな基本的なことを、ずっと考えながらの制作は楽しくもあり、自分との会話もありでなかなか充実していましたよ。

つい昨日贈った方たちから立て続けにお手紙を頂きました。喜んで下さったようでほっとしました。

それはタオル美術館のリニューアルにも共通しているコンセプト。
ここ数年、小さなリニューアルを繰り返しながら、大幅なリニューアルのことをずっと宿題のように心に抱えていました。
少しずつシリーズのように完成していく作品たちは、がらりと様相を変えて、明るく楽しいものに仕上がりつつあります。
「え−!これがタオル!」そんな声が聞こえて来るような気がして、ワクワクしながらの制作。きっとお楽しみ頂けるものになるのじゃないかしら?

それは是非会場でご覧下さいね。
まだしばらくは時間が必要です。
3月の10日くらいまでには、たぶん完成します。沢山の方たちにご高覧頂けることを願いながら…引き続き頑張りたいと思います。

是非心の中で私にエールを贈って下さい。
それは必ず届くと信じています。そう言うものを感じながら私は長年制作をしてきました。もしもそれが私に届いていなかったら、こんなにも長い間この仕事を続けて来られるとは思えませんでした。
「見えないものでもあるんだよ」…金子みすゞさんの言葉がふと心をよぎりました。
…そう、見えないものでもそこに確かにあるもの…が私を支えて下さっているのだと心から思います。

そうそう今日のブログの写真は、鈴なりのキンカン。四国で沢山摘んできたものです。
無農薬の自然のなかで元気に実ったキンカンは、今も私の心のなかで鈴なりです。
…そんな毎日の食事も…とても大切なこと。
私は制作中はかなり意識的にビタミンEとC を口にします。
疲れがずいぶん違うような気がするのです。

リニューアルの後「タオル美術館9周年特別イベント」でライブの準備もしています。
またまた山本恭司さんとのふたりライブ。新曲発表もありますよ。
詳細はまたこのブログでもご紹介します。もうしばらくお待ちください。



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