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2011.12.08 Thursday

やさしいこころにはひびがはいっているFamily Apps配信中です

DSC05002.JPG

それはとても小さな絵本です。
…それはとてもささやかな物語です。
息子がようやく字を読めるようになったころに書いた本です。

全部ひらがなで、手描きで書いた文字は
とても下手です(笑)
大学時代の友人がその本を見た瞬間に
「おまえ、何でこんな字なんだよ!」と言いました。

けれど、この本には、この字がいい…!
そう思って一生懸命に書きました。

DSC05004.JPG

できあがったばかりの本を、私は息子の本棚にそっと入れておきました。
するとある日、突然息子が我が家にあるローチェストの上に立って
このお話を、大きな声で読み上げてくれました。

…たぶん泣いたと思います(笑)

この本は私の小さな息子のために書きました。
そして、私はそのころ常設にしていたギャラリーで
小さな絵本展…というのを開催したのです。

それをご覧になった出版社の方たちが
次々と本の依頼にお見えになりました。
…そう、この本はその最初の一冊。
…とても思い出深い本です。


実は震災から少し過ぎたころ…私はこのブログで、ちょっとこの絵本のことにふれました。
すると、ある方からコメントを頂きました。
それは、ずっとこの絵本が大好きだったという方からの、とても嬉しいコメントでした。

けれど、この本を読み聞かせしたいけれど、本が小さすぎる…とも。
何とかもっと大きな本にして出版できないかと…

そのコメントをうかがってから、色々考えてみました。
…そして、原画はもちろん手元にあるので(笑)私はスタッフと相談して
コピーで大きく伸ばして紙芝居に仕立てて、送らせていただきました。
きっとどこかの小学校で、読み聞かせをしていただいていると思います。

もっと前には、人形劇団の方からご連絡をいただきました。
このお話で人形劇を作りたいと…。

…とても小さな絵本です。
…とてもささやかな物語です。

…もうずいぶん前に描いた絵本です。

実はiPhoneかiPad対応のアプリで
「Family Apps」をダウンロードしていただくと
この本が、無料でお読みいただけます。
「しんちゃく」を押してください。期間限定で6ヶ月です。

ひとりでも多くの方にお読みいただけたら
私は本当に嬉しいです。

実はこのアプリにスンナリ入れる人もいるけど、私にはちょっと手強かったです。
iPhoneかiPadというのははずせないようです。すみません。
そうしたら、FBで、とても親切な手順を寄せてくださった方がいます。

Martin Beiweiさん…Facebookで私が立ち往生をしていると、いつも
どこからともなくやってきて、的確に答えを教えてくださいます。
日本語は日本人よりも美しく流暢です。
以下、彼からのメッセージを添付します。Martin!! Thank you!!

1.MacのiTunesに"Family Apps"というアプリをダウンロード。
2.iPhoneを接続し、アプリを転送。
3.iPhoneに転送した"Family Apps"をダブルクリックで起動
4.初回は「お子様のニックネーム」と「生年月日」のアンケートに答え、
そのデータを転送することになる。(このアンケートを転送しないと、アプリ自体使えないようです。)
5.送信完了すると、最初の画面には、街の風景の絵が現れます。
そこには、5つのカテゴリがあり、それぞれ「まなぶ」「おしごと」「あそぶ」「ひろば」そして「としょかん」
6.その中の「としょかん」をダブルクリックすると、「やさしいこころにはひびがはいっている」があります。
7.3G回線でのダウンロードでも2-3分で完了しました。
8.ダウンロードした作品はマイほんだなのところに保存されています。

2010.10.20 Wednesday

そうぞうしてごらん


久しぶりに2005年に文溪堂さんから出版された絵本を開いた。
まだ5年…なのか…
もう5年…なのか…
思いは交錯する。

ちょうど描き上がった日は2月の末…息子の誕生日だった。
描き上がったばかりの原稿をプリンターで出力して
息子に「誕生日のプレゼントだよ…」といって
手渡した記憶がある。

ちょうど息子の友だちも遊びにきていて
みんなでガヤガヤいいながら
結構まじめに読んでくれた。
あれこれと意見が飛び交い…その後少し手直しを加えたりした。
それから入稿して、本が出来上がったのは5月…。

先日チェックしたこのブログ…まだ2年半と少し…。
ブログを始めるよりもずっと前に描いたんだ…。

一冊の絵本を描くということ…
描いている間は没頭する。
そして脱稿してからは、しばらくの間
ものすごく沈静する。

もの作りも同じかもしれない。
出来不出来は別にして…そのとき全力投球したら
しばらくは振り返らない。
それか全く別の仕事に没頭してる。


絵本はとても小さいけれど
挿画は全部油彩…原画は百号のものもあり
大きな画面の
ちょっとした部分を使ったりもしている。

アトリエの壁一面に油彩を並べて描きながら
同時に物語も書いていった。
5年という歳月…やはり…まだ5年…という方に
気持ちは傾いている。

十年経ったとき…この本を私はどう読むのだろう…。

もの作りの仕事も、本を出版しても
長い時間を過ごしてみないとわからないことがある。

…今日は公園の散歩に行けなかった。
どうしても急ぎの仕事が山積み…
それに、あの公園は夜になるととても物騒なんだ。
仕方がないので家の近所をぐるりと歩いた。

道の途中で…たぶん我が家の夕食のさんまを盗んだ猫と目が合った。
この猫はまっすぐに人を見る。
心なしか警戒心が消えているような気がした(笑)
この辺りに住み着いてから、もうかなり長い。
ものすごくお行儀よく座って、じっと私を見た。
カメラを持っていれば良かった…な。

この猫のシッポは短い。
かなり気の強い猫だと風の噂に聞いたけど。

そうぞうしてごらん…の導入では
一匹の猫になって海辺の街を歩いているところから
はじまる。

猫も人も生きていると色んなことに出会うもんだ。


久しぶりにこのとき描いた絵をMacの中に見つけて
いきなり書き始めてしまったけど

今仕事の合間を見て、いろいろな作品を整理中なのです。
ついつい立ち止まって、なかなか先へは進めないのだけどね(笑)
2009.12.08 Tuesday

すてきなプレゼント

「すてきなプレゼント」…と言う絵本。文溪堂さんから出版されています…その絵本のページをプロジェクターで映して、映画館で読み聞かせをしたいと言うご依頼がありました。今までも何度か、人形劇や、朗読にお使い頂いているけれど、いつも会場が遠くて…一度も拝見したことはありません。
今回も滋賀県…遠いなあ…。


この絵本は息子が三歳のときに読み聞かせ用に描いたもの。出版されたのは、ずいぶん後でしたが、とても思い出深い物です。
たぶん、読みやすいと思います…私自身が口に出しながら、描いていったものだから…。

挿絵は色鉛筆…筆と違って肩に負担が…(笑)

色鉛筆って実は印刷効果が低いの。でもあえて、それを逆手に取って描きました。少し粗めの紙に、何色も重ねていって、柔らかいグラデーションを出していきます。
画材としては、とても扱いやすいけど…なかなか手強い。
原画は丁寧に額装して、タオル美術館にありますが…今は展示はしてないかも…。
タオル美術館は温度や湿度を一定にした場所で保管して下さっているので、安心です。

原画の管理も結構大変なの。何しろ量がものすごく多いので、そのための倉庫があちこちにあります。水彩画などの微妙な物は特に慎重になります。
今はデザイン画はパソコンで描くことも多いけど、以前はほとんどがアナログ。プリント工場とかで、色合わせのために切られてしまった原画もあります(泣)

時代は変わりました。特にデザインの現場…楽になった部分も多いけれど、ニュアンスを出したいときにはとても苦労します。けれど色替えをするのは、一瞬でできるので…便利〜。
でもパソコンを使いはじめた初期の頃の原画は…自分で見ても笑ってしまうほど稚拙なものも目立ちます(苦笑)

ようやく最近は、アナログもデジタルも同じくらいのレベルで仕上げられるようになりました。けれど、タブローとしてCGで仕上げるのは、アナログよりも数段時間と手間がかかります。ま、そこが面白い所なんだけど…ね。

いつかパソコンで本格的な絵本を描いてみたいです。
そうそう以前、ものすごく苦労してパソコンで描いた絵が壁紙になっています。使って頂いた場所は歯医者さんとか幼稚園。私も貼り上がった写真しか見ていませんが…たぶん今見たら…ここはこうすれば良かった…とか思うんだろうなあ…でもそのときの私の、全てを注ぎ込んでいるので、後悔することはありません。

どんなことにもはじまりがあります。

絵が好きだと思って描きはじめた頃…決して巧くはないけれど、愛着があります。
もっと巧く描きたい!と思って肩に力を入れて描いた絵にも、励まされます。
そのころの、そのまんまの私…それが表現の面白さでもあり、怖さでもあるのです。

そして、色々な時代を振り返って…どの時代の自分も許してあげよう…とようやく最近になって…そんなことを思うのです。


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