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2014.06.18 Wednesday

アトリエのひとりごと

 ずいぶん前に描いた小さなアクリル画。
私は一体誰を描きたかったのかしら?

男だったか…女だったか…
それもわからない…。

当時私がつけたタイトルは
「風を読む人」


なんだか本のタイトルのよう…
そう思って、装丁風に配置してみました。

…変形サイズの詩画集かも…。

全然売れそうもないけど…(苦笑)


出版から、意識的に遠退いて久しい。
若い頃はあれもこれもと欲張ったけど
今は、ちょっと違う。
世の中とは別のところで、書いていたいの。

だからこそ生まれてくるものがある。
それを真っ先に読んでみたい…(笑)


表現者がまず最初に見る壁は
どこでそれを発表するか…。

私はどこかで、それは自然に羽根もはえて
勝手に空を飛んで行くと思っているところがある。

もしもそれが価値のあるものだとしたら…。
いつかそんなものが書けたらいいな…。



若い頃、私は自分に枠をつけることに熱心だった。
それができないと、世の中からはじき出されるかもって
真剣に思ったりした(苦笑)

いつだって自分で自分が読めなくて
まるで衝動的だった。
誤解されたという言い方もあるけど、それも違う。
誤解を生むように生きてたんだと思う。

そんな自分を認めることができたのはいつだっただろう。
たぶんそんな私を理解してくれた人と出会ったからだと思う。
出会いって、本当に人生を大きく変える力がある。

仕事も相変わらず山積みだけれど
今また、気が向けば
油彩の筆を持っている。

風を読む人の冒頭の言葉も浮かんでいる。

いろんなこと
軽々と超えて生きてみたい(笑)

ある意味では若い頃よりも待てなくなった。
いつか…という言葉にもリアリティが重ならなくなった。


…何となく、今日は頭に浮かぶ言葉を書いてみました。

いつもこんなふうに
自問自答は、際限もなくて…(笑)



2014.03.25 Tuesday

猫を抱く人

猫を抱く_2.jpg

 ここ数年、この季節にはいつもかぶっているお気に入りの帽子。
花冷えの季節には、木綿のストールや帽子が欠かせないけど
今年はまだウールにしがみついています。

気温のせいじゃなくて。

実は4年目になった3.11、心のどこかに、まだ「花冷え」を感じています。

当初は3ヶ月間、全く仕事が手につかなかったけど
結局仕事に救われているのかな…
クリエーターは、夢中で何かを作っていれば安定するの。

それにしても
これだけの地殻変動とか天変地異が立て続けに起こっていても
世界は手を結ぶ方向には動かない。

そこから発生した原発事故には、なす術もありません。

「風化させたくない」とか「忘れてはいけない」というけど
忘れられたら、どんなに幸せだろう…。

3年前、世界中が一生忘れられないほどの出来事が福島で起こりました。
人類はまだ、その解決策を持っていません。

…もう書くまいと思ったけど
また書いちゃった。

猫を抱く_2_2.jpg

…この絵を描いたのはいつだったかな…。

私はときどき、心の中がいっぱいになると
ただ無心に、飽きるまで描いて、空っぽになろうとします。

言葉も同じかな…。
誰かのためではなく、責任感ではなく
枯れ葉のように自然に言葉が積もってきて
それが心を埋めてしまう前に
私は空っぽになろうとします。

それは忘れるためではなく
むしろ石に刻むような作業です。

必死で格闘して
乗り越えようとしている…と言ってもいいかもしれません。

何か問題が起こるたびに…私はそれを乗り越えようとして
何度でも何度でもペンを持ちます。
それがどんなに徒労感を伴うとしても。

最終的にこの絵は、別々に描いた数枚の絵を合成して
一枚の画面の中に収めました。
帽子のテーブルの背景に使ったのは、ジャカードのストール用の図案なんです。

いつのまにか、私のスケッチは増えていきます。
自分でも驚くほどのストックがあるんです。

ただ私はまたしても、どんどん引きこもりになり(苦笑)
一日のほとんどをアトリエで過ごしています。

猫を抱く_2_3.jpg

 
2012.08.22 Wednesday

夏休みの絵日記

enikki .jpg

 子どものころ、いつも夏休みの最終日近くになって
慌てて宿題の絵日記を描いていました。
山登りのことや、海辺の街のこと。
スイカ割や花火もあった…。

月並みだけど…それがいかにも夏休みって感じがして…
ただページを埋めることに没頭した。

朝顔が蔓を伸ばして大きく咲いた絵も
定番だったかな…。

けれどその頃は、私は自分が絵が好きだなんて
一度も思ったことがなかった。

それに気づいたのはずーっと後のこと。

…そう、人は自分に気づくまでにとてもとても時間がかかる(笑)

asagao.jpg

今年もついにどこにも出かけなかったけど
いい夏休みでした。
残暑お見舞いの葉書のつもりで、パソコンで、絵を描きました。
クレヨンで描いたみたいな素朴な絵が描きたかったんですが(笑)
まあ、今年の私の絵日記というか…。

今週も来週も残暑が厳しくなりそうです。
皆様に心より残暑お見舞い申し上げます(ぺこり)

2011.02.03 Thursday

私と絵の関係

 

ちょっと暗い絵を描きました…暗い絵も好きなんだよ。
昔良く「待つ女」の絵を描いた(笑)
演歌みたいだけど…そう言う意味じゃない(笑)

「待つ」というのは、「時」かな…
長いこと色んなものを描いたり、書いたり…ずっとずっと描き続けてた
…そんな時代のころ。

何を描いても、何を書いても気に入らなかった。

いつか思い通りに描ける日がくるんだろうか…。
巧く描けても何かが足りない。
わざと崩せば、何かが多い。
私は答えのない世界の扉を開けたんだ…と
絶望的になったこともあったかな。

でもそんなときに限って、ちょっとばかり、ましな絵が描けたりする。
なだめられたり、すかされたりしても続けるしかないんだ…。

私は仕事に恵まれた。
否応無しに締め切りが迫ってくる。
それがどんなに幸せなことだったか
今になって、痛いほどよくわかる。

私は仕事に育てられたんだ。
沢山の仕事…山ほどの締め切り…
それは全部、トライできるチャンスだった。

今まで作ったものはどのくらいあるのだろう…。
数えても数えきれないほど…。

いつの間にか画風も色も変わったり
少しずつ勉強したことが引き出しのなかに入っている。

最近の私の作るものは明るい。
元気な図案も多い。
…すると、何故か暗い絵を描きたくなる。

人は知らず知らずにバランスをとろうとしているのかも。
いいことばかりでもなく
悪いことばかりでもない。

色んなタッチを描くけど、そのどれもが私。
心の引き出しはまだまだ奥が深そうな気もする。
2010.12.05 Sunday

青いバラを持つ少女

 

青いバラを手に持つ少女は
もうずいぶん前に描いた小さな油彩です。
この頃描いていた一連のシリーズを見て
まだ確か三歳になったばかりの息子が言いました。
「ねえ。お母さんの描く絵はいつも泣いてるね。
哀しいの??」と。

私は描き上がった絵を見るたびに
今でもその言葉を思い出します。
デザイナーとしては少しは認知されていたけれど
当時…油彩を描いていると
周囲は困った顔をしました。
締め切りに追われる日々…スタッフの気持ちも痛いほど
伝わっていましたが
けれど何かどうしようもないものに突き動かされて
自分を抑えることができませんでした。

筆を持っていないと駄目になる。
そう言う強迫観念のようなものもあったかも。

けれどようやくある日気づきました。
表現とは筆を持つことではなく
形を作ることでもなく
どう生きているか…そこが重要なんだと。

それ以来私から焦りのようなものは消えました。
毎日を充実させて、いつも笑顔があふれている仕事場にしたいと
心から願うようになりました。

どこにでもあるような行き違いや
小さなトラブルは、確かにここにもありますが
おおむね良好(笑)
青いバラを持つ少女は…そんなことを私に思い出させてくれます。

2010.01.07 Thursday

趣味の勧め…マウスで絵を描く


「趣味がない」…こんな話を最近立て続けに聞きました。
ないのなら、そして欲しいのなら、いくらでもキーワードがあります。
私はいつの間にか趣味が仕事になったので、多趣味すぎるくらいなの(笑)

男の人で料理が趣味って言うのも…いいですね。
先日リタイアーした大阪のボーイフレンドは…仕事を辞めたら「料理を」と
おっしゃっていました。
はじめたかなあ…すごく凝ったもの作りそう…(笑)

何かを集める…それも楽しそうですね。
旅行や、写真とかもありますね。

さて、そろそろ本題に…今日のおすすめの趣味は、絵です。
子供の頃の絵日記…まだ楽しさはわからなかったけど、今あったら、見たいなあ。
学校では必ず絵を習うし、そのときはまだ楽しさはわからなかったかもしれなくても、描き始めてみると結構面白いと思います。
もしも何か趣味を探しているなら、絵を描くのはいかがでしょうか。

あまり深く考えずに…パソコンなら画材も必要ありません。

いつだったか、毎日食べたものをイラストで描いて、日記のようにしている人をテレビで見ました。…私もちょっとまねしてみようか…と思ったくらい面白そう…。
特別なことでなく、ほんのちょっとしたことを積み重ねること…それが続いていくと、自分が見えてきます。
…で、ちょっと今日食べたイチゴを描いてみました。

うまく描こうとするのではなく、自分を自由にできるようにもっていくと
どんどん愉快になってきます。


パソコンを使って描いた絵やデザイン画…最初の頃の絵を見ると本当に何もわかっていなかったと思うけど…どんどん好奇心を広げて行くと…パソコンでできることってすごい!って思います。
ペンも使わずマウスで描いていたので、きれいな線は描けなかったけど
そこが面白いと思いました。

今日の絵は久しぶりにフォトショップを使いました。
今はイラストレーターで描くことが多いけど、それはまた線がきれいすぎるのが特徴。
わざと手書き風に描くことも多いです。

パソコンには絵を描くソフトが組み込まれていることが多いので
自由に描いて、気に入ったものだけを残して行けばいいのです。
モティーフは身近なものを…。

絵手紙にしたり、写真と合成したり…どんどん広がって行きますよ。

習うよりも慣れろ…という言葉通り。
後は慣れるまで描けばいいだけです。

2009.12.30 Wednesday

雲の上の6人のピエロたち…

私が出会った人にピエロの衣装を着せて描こうと思うまで…テーマには悩みました。

そんなとき、昔のスタッフが一冊の本を贈ってくれました。

「サーカス展」と名付けられた絵の展覧会が開催された時の図録です。

その本を開いたとき、ずっと封印していた扉が開きました。

私の大好きな画家は沢山いるけれど、何と言ってもピカソとシャガール。
最初は言葉のための挿画を描いていることが多かった私。

もっと本格的に絵を描いてみたい!と願ったとき
私の手元には、このふたりの画集がありました。
シャガールの画集は、とある方からの贈り物。
日本では手に入らないとても贅沢な本で、当時の私には、どんなものよりも嬉しいプレゼントでした。

そこにはまだシャガールの初期の作品
試行錯誤している時代の絵も沢山入っていて
完成された世界しか見たことがない私には、新鮮な驚きがありました。

それこそ穴のあくほど、毎日…その画集をながめて
過ごした日々。
とても懐かしい思い出です。


サーカスをテーマに描いた代表的な画家と言えば
やはりシャガールかな…。
好きだからこそ…そこに足を踏み入れる訳にはいかないと…どこかで線引きをしていた私。

そんな私が、ピエロを描こうと思ったのは、元スタッフから届いた画集。
そこには本当に沢山の画家たちがサーカスにまつわる絵を描いていたのです。

…そして私の挑戦ははじまりました。

その中の1枚がこの絵です。
雲の上に居る画家たちをみんなピエロの衣装を着て
描いてしまおうと思った訳(笑)

この絵にそんな秘密が隠されていることを知っている人は、とても少ないです。
無謀な挑戦のように思えて、極身近な人にしかこの絵のことは話しませんでした。

上の絵はピカソ。
次の絵はジャン・コクトーと、シャガールです。

コクトーは絵画だけでなく映画や音楽とも深く関わり、エディット・ピアフと生涯の親友だったことはとても有名な話です。

人は生涯に色々な人と出会います。
それは生きている人だけでなく、すでに天国にいる人たちも含めて…。
彼らの作品に出会うと、私はその人をとても身近に感じます。

文学も絵画も音楽も…魂を込めて作られた物は、どれも時を超えて生き続けているもの。
私は沢山の画家や作家や作曲家の魂に触れて…心を育てられたと思います。

心からの尊敬を込めて、一筆一筆一生懸命に描いた絵…
まだまだ未熟だけど、思い切って秘密をお話してしまいました(笑)
たぶんこのシリーズは私の生涯を通して、描き続けると思います。
どうぞ、応援して下さい。

恥ずかしさも手伝って、私はこの6人の画家の肖像画については、タオル美術館でも何の説明もしていません。
もしも、お出かけの節は、ちょいっと思い出して頂ければ…と思います。


←このふたりはダリとルソー…。
他にもペン画でもっと沢山の画家たちを描いています。

数年前のパリのオルセー美術館で、私は巨大なルソーの絵を観ました。
…圧倒されました。素晴らしかった〜〜。

実は今日ここに載せた写真は、まだ完成前の絵。
実際はもう少し筆を加えています。

そしてもうひとり…薄幸の天才
モジリアニーを描きましたが…その全容は是非
タオル美術館でご覧下さい。

60号の油彩のなかに描いた
「雲の上のピエロ」というタイトルの絵です。

今日は30日。
いよいよ今年も明日一日で終わりです。

年の最後の日に、何を書こうかなあ…。
どうぞ、明日もお楽しみに…。






2009.12.17 Thursday

線の内側


私が子供のころ
線の内側で自由だった

何も知らなくても
いつか覚えればいいよと

自分の心が欲しがるものだけを
少しずつ
集めていた


その世界は
無限へと広がり
どこまでも行くんだと
言い切っても
大人たちは寛容に
それを許していた

…そんな時代に
私は生を受けた

豊かさは外側ではなく
いつも内側にあるものだよ…

私は知らず知らずに
そんな声を聞いて育った

けれど私はあの頃のように
寛容な大人になろうとして
何度も失敗を繰り返した

大人と子供の境界線が消えたのは
いつだったのだろう…
ときどき私は
そんなことを考える
その答えを私は知りたい

私が子供のころ確かにそこにあった世界は
今…一体どこにあるのだろうか…と

2009.12.16 Wednesday

特別な人生 LOVE SONG


特別な人生なんていらないと思っていた。
ささやかでも、とびきり豊かな人生は欲しいと思っていたけど…。

けれど、それは間違いだったことに気づいています。

今では…人生とは…全てが「特別」なんだって思っています。
ただ穏やかで豊かで素晴らしい人生なんて、ひとつもないということ…。
どこの家にもあるように、人生には素晴らしい贈り物も、空っぽな空き箱もあります。
それをどう受け取り、どう考えるかが…人生の分岐点。

だから、今、私は「特別」な…超スペシャルな人生を目指そうと思います(笑)
それはこのブログを書きはじめたときから、はじまっていました。
ひとりでコツコツと書いているブログを通じて、色々な方とつながっているという実感は
いつも私に大きな力と勇気を与えて下さっています。
読んで下さって…本当にありがとう!
今日の絵はもう、15年ほど前に描いた油彩。
今まで描いた油彩のなかでも、特に思い入れの強い作品。
油彩が描けなくて…どうしても描けなくて…自分のイメージは…確かにあるのだけれど
何かが違う…と迷い続けた日々。

そのころのスタッフが婚約をしました。
幸せの絶頂期の彼女をモデルに、私は筆を持ちました。
…やっとひとつ何か大きな壁は越えられたかも…そんなことを思った1枚です。
「LOVE SONG」と名付けたこの絵は、今はタオル美術館の倉庫の中かも…。

皆様への感謝の気持ちを込めて…今日はこの絵を選びました。


2009.12.12 Saturday

今日はおやすみ

どうぞ素敵な休日を…。


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